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ヒビ割れから外壁雨漏りする事はまず無い
- 2015/6/3
- 塗装工事・価格等について
- 業者選び, 訪問販売
外壁にヒビがあると『ここから外壁雨漏りしないだろうか?』とちょっと心配になってしまいますね?そんな時に訪問販売業者などが『これはヒドイ!恐らくかなり水が浸入しています。早く処置しないと家が傷んで塗り替えどころの費用では済まなくなりますよ!』なんて事を言われると、『やっぱりそうですかでは早めに塗装して下さい』となってしまっても不思議ではありません。
ただ、待って下さいサイディング外壁などは余りヒビなど入っているケースはありませんが、モルタル外壁などはむしろヒビが無い方が少ない位です。それでも本当にヒビ=雨漏りなのでしょうか?ちょっとご説明させて頂きます。
1. ヒビの発生
ヒビが発生しやすい外壁としてはモルタル外壁があります(外壁の種類がよく分からないという方は『塗装が不要・必要な屋根・外壁の種類』をご覧ください)。ヒビの発生の殆どの場合がこのモルタル外壁の場合かと思いますが、基本的にモルタル外壁はほぼ100%ヒビが入ります。これはモルタルの性質上仕方ない所もあります。
1-1. ヒビ割れが外壁雨漏りになる可能性
ヒビといっても大小様々ありますので単純に『外壁のヒビ=外壁雨漏り』とはなりません。判断すべきはそのヒビの大きさ(幅)になります。目で見えても非常に細いクラック(俗にヘアークラックと言う)については殆ど雨漏りの原因になることはありません。気を付ける必要があるレベルは一般的に1mm幅程度以上からと言われます。1mmのクラックというとパッと見てもかなりヒビだと分かりやすいレベル(名刺が簡単に入る位の幅)です。そのようなヒビが見受けられる場合は気を付ける必要があります。ただ、おそらく通常みられる殆どのクラックは1mm以下のクラックで雨漏りに直結するようなものは非常に少ないです。
1-2. 大きなクラックが見つかった時の対処法
外壁に1mm以上幅のクラックが見つかった場合は外壁雨漏りの可能性が出てきます。ただ、それでもすぐにお家に水の侵入(雨漏り)がなされる事は殆どありません。というのも通常はモルタル外壁の構造は下図のようにモルタルの内側には防水シートがある為、仮にヒビから雨水が浸入したとしてもこの防水シートで漏水を止める事ができます。
但し、この防水シートも雨水があたり続けると腐食しいずれ水の侵入を許してしまいますので大きな幅のヒビが外壁に見つかった場合は少なくともそのクラックの部分だけでも補修が必要です。
(←左が網、右の白いのが防水シート)
補修方法については、クラックの上からコーキングを詰めるだけというのは不十分です。しっかりとヒビからの水の侵入を防ぐにはVカットと言ってヒビを一旦削り取ってコーキングがつめられる1cm幅程度にまで開いてそこにコーキングを詰め込んでいきます。物が割れたりした時に割れた部分に上からテープなどで貼り付けて応急処置を行うのが前者、割れた箇所にボンドを流し込んでしっかりとくっつけるのが後者になります。ヒビの上からシーリングを塗ってもその部分だけがコーキングで盛り上がる為に凹凸ができて見栄えも悪く、ヒビを抑える効果も低いです。
2. まとめ
外壁のヒビについては当然心配のタネではあるかと思います。確かに大きな1mm以上のサイズヒビが長期にわたり放置されると外壁雨漏りの要因になる事は確かですが、営業マンが言うような大げさな『放っておくと倒壊する』などは施主さんの不安をあおってなんとか塗り替え受注を得ようとしているにすぎません。外からヒビを見ただけでお家が倒壊するレベルの水の侵入があるかどうかなど分かるはずもありません(大体倒壊する程の水の侵入というのはおそらくジャブジャブに入っている状態です)。もちろん、常に水が浸入するような状態で30年も放っておけば倒壊する可能性はあるでしょうが、実際のところひび割れを放っておいて水が浸入し家が倒壊したという話は少なくとも私は聞いたこともありません。外壁雨漏りにはその幅が重要であり1mm以上であればヒビをコーキングで処理する事だけは最低限必要であるという事だけ確認しておきましょう。この他にも、外壁塗装をする前の知っておくべき塗料や塗装についてを色々まとめています。
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