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アステックペイントは良い?悪い?
- 2016/1/12
- 塗料(ペンキ)について
アステックペイントという塗料を知っていますか?これはオーストラリアで生まれた塗料で、ここ10年位で日本でもよく使用されてきている住宅や工場の塗り替え用の塗料です。弊社でも同塗料で施工をした事もありますので、率直な意見を書いてみようと思います。
1. アステックペイントの特徴
まず、アステックペイントというものについて日本の塗料と比べてどんな特徴があるかを述べていきたいと思います。
1-1. 耐久性(☆☆☆☆☆)
アステックペイントにも多くの製品ラインナップがあり、種類によってその耐久性は異なるようですがメインの商品であるEC-2000という商品でみてみると、その耐久性は約20年となっています。一般的によく使用されるシリコン塗料で大体10年~13年程度ですので耐久性は非常に高い部類に入ると言えます。ただ、国内に20年持つ塗料が無いか?と言われればあります。シリコンよりも高級になりますがフッ素塗料や無機塗料であれば15年~20年程度の耐久性のものもありますので、これらと同等の耐久性と言えます。
1-2. 対応色(☆☆☆☆)
塗装をする上で気になるのが色だと思いますが、塗料によって(特に遮熱塗料などの特殊塗料)対応できる色が少ない場合もあります。このアステックペイントも遮熱性の無い塗料については数百色対応が可能だという事ですが、遮熱性のある塗料については50色程度の対応という事になっています。ただ、50色というと遮熱塗料においては決して少ない数字ではなく、且つ濃い色でも対応が可能という事ですので、国内にある遮熱塗料と比べると対応色はやや幅広いと言えます。
1-3. 施工性(☆☆)
これはあまり施主さんの立場としてはあまり関係がなく、どちらかと言えば塗装屋が気になる部分ではありますが、所謂塗料の塗り易さ・塗り難さとなります。基本的に塗料は塗り易い方が塗装職人には好まれますが、このアステックペイントは塗り易いとは言えません。その理由は、塗料の粘度が非常に高く、一般的な塗料が比較的『サラサラ』しているのに対してアステックペイントは『ねっちょり』というイメージです。最初は塗るのにコツが要ります。また、メーカーもそれを見越してかこの塗料を取扱う際には必ずメーカー主催の技術研修会に参加して試験にパスする必要があります。この様な制度は国内の特殊な塗料でもありますが、一般的な塗料と比べると施工性が良いとは言えません。
1-4. 価格(☆☆☆)
次に価格についてですが、当然と言えば当然ながら安くはありません。ノーマルのシリコン塗料が100とするとアステックペイントは120という感じで2割程高くなっています。塗料自体が高いというのもありますが、先述致しました通り施工性が良くないという事は、施工に時間がかかるという事となりますので、その分人件費がかかり価格も高くなります。大よそのイメージですが、フッ素よりも高くて無機塗料よりも安いというイメージでしょうか。ただ、一点この塗料は高いだけでは無い(他の塗料では無い)特殊な塗り替え工法である、塗り重ね設計というものを持っています。これは、次回同塗料で塗り替えを行う際には下塗りを省いて(場合によっては中塗りも)施工が行えるというものです。
通常、塗り替えは下塗り→中塗り→上塗りの3工程で次回も同様となりますが、この塗料で塗り替えを行う際には2回目以降は状態により上塗り1回でOKという事です。これにより当然ながら2回目以降の施工費用を大幅に抑える事ができるという事を考慮すれば一概に高いともいえません。
1-5. 防カビ性(☆☆☆☆☆)
アステックペイントの面白い特徴の一つとして防カビ性能があります。勿論、国内塗料にも防カビ塗料はありますが比較してみてもアステックペイントの方がより効き目が高いです。というのも防カビ塗料を塗って効き目のあるカビの種類が一般的には100~200種類程度というものが多い中、アステックペイントは500種類以上のカビ菌に対応しているとの事で特殊なカビが発生しやすい食品工場などでも使用されているとの事(ウチでは未だその経験はないですが)。お家などで一般的に見受けられるカビなどであれば十分に対応でき、山際などでカビが発生しやすいお家にも最適です。
2. まとめ
アステックペイントは紫外線が世界一強いオーストラリアで開発されたという事だけあって耐久性は抜群に良い塗料です。また、上述は致しませんでしたが塗料自体が非常によく伸びる(イメージとしてはゴムみたいな感じ)性質があり、モルタルの外壁などでヒビが入り易い個所にはその弾性力でヒビの発生を抑制する効果もあります。塗装が劣化する中で気になるのは一般的には『色褪せ』と『ひび割れ』だと思いますのでこのどちらにも対応している同塗料は価値のある塗料だと言えます。
とりあえず10年持てば良いという事であればシリコンで十分ですが、まだまだ永年住み続けたい場合やモルタル外壁のお家などであれば同塗料も検討してみてはいかがでしょうか?
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