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塗料の膜厚は塗れば塗る程・・・
- 2015/6/19
- 塗料(ペンキ)について
膜厚とは塗料を塗ったあとに造膜された塗装の厚みの事を言います。塗装というと色が付いているだけでその塗装に厚みがある事は通常意識されることはありませんが、この厚みがしっかりとないと塗った塗料通りの耐候性を維持する事ができません。
上塗りと下塗りの膜厚
住宅を塗装する場合には下塗りと上塗りがありますが、当然ながら乾燥すればそれぞれに膜厚があります。塗る塗料の製品により膜厚は異なりますがおおよそ下塗りは20~40ミクロン、上塗りは100ミクロン前後となります。これが弾性塗料などで幾分膜厚のある上塗り塗装となると200~300ミクロンあるものもあります(100ミクロン=0.1mm)。
下塗り塗料については元々気候による保護などは目的としておりませんので膜厚をつけて紫外線などから守る必要もありませんので薄塗りとなります。一方で上塗り塗料の主たる目的は住宅保護となりますのである程度の耐久性を維持する為に膜厚が必要となります。上塗りは通常2回塗りとなりますので1回約50ミクロンx2回塗りとなります。
注意点
膜厚があると耐久性を維持できると言いましたが、一度に膜厚をつけ過ぎると乾燥後もしくは乾燥中に塗膜にヒビもしくは割れが発生するので注意が必要です。基本的に塗装は一度に沢山の量の塗料を付けるより、薄塗りで重ねて塗料を塗った方が各層がしっかりと乾燥して何層にもなりますので塗膜の強度は増します。一度に膜厚をつけようとすると、塗膜の表層部と内部との乾燥時間のズレが大きく成る為、表面は既に乾燥していても内部はまだ未完走の様な状態になります。そうすと気温により表面が引っ張られ、表面に亀裂が入り、これがヒビや割れにつながります。
膜厚は大きい程良い?
例えば基準値が100ミクロンとなっている外壁塗装に3回もしくは4回塗装をして150ミクロンにすると耐久性が増すかというとそうでもありません。というのは塗料の耐久年数はその塗料がどれくらいでチョーキング(塗膜内の樹脂と顔料が分離する事)を起こすかという事を基準に決められており、その塗料の樹脂の性能によりますので膜厚が大きくても小さくても関係なく同じ時間の経過によりチョーキングは発生します。ただ、膜厚があると表面部にチョーキングが起きていても内部はまだ健康な状態である可能性が高いですので、色は褪せてはいるものの防水機能などは膜厚が薄い場合よりも長く持つ可能性が高いです。この他にも、外壁塗装をする前の知っておくべき塗料や塗装についてを色々まとめていますのでご参考下さい。きっと少しは役に立つ・・・はず。
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