大阪の塗装屋の過去と今
- 2015/6/23
- 工事日記
大阪は松原市で住宅や工場などの外壁塗装をやって約20年となるコテコテの塗装屋です。塗装屋というとあまり一般的に人と接する事もないですし、ダボダボのズボンに汚れたペンキと正直言ってパッと見あまりちゃんとした外見で無い者も多いので少し白い目で見られる事もあります(汗)。ちょっとだけ塗装屋はどんなものかをご紹介します。
1. 塗装屋の生態
全国に塗装屋は3万社もあると言われております。その割には塗装屋という看板をそんなに見ない気がするかもしれませんが、塗装屋と呼ばれるその多くは数人や家族経営でやっているので、事務所兼自宅で看板さえ出していないという所が多いためです。
塗装屋の仕事については基本的に(恐らく全国的に)早起きです。朝4時とか5時には起きて準備をします。天気勝負な仕事ですので、朝のできるだけ早いうちにその日の仕事の準備を行い、8時とかには工事現場でスタートできるように段取りをします。よく雨の日には仕事が無いと思われがちですが、塗装屋の多くは住宅だけでなくビルや店舗などの塗装でも仕事を行うので、内装であれば雨などでも問題なく施工ができますので、雨=完全オフという事にはなりません(勿論仕事量は減りますが)。日が暮れるとどうしても塗装の仕上がり具合が分からなくなりますので日が暮れるとその日の仕事は終了となります。
2. 力量(腕)
塗装屋というと親方がいて、最初の3年はローラーも触らせてもらえない。などというイメージを持っている方も居るかもしれませんが少なくとも大阪ではそんな塗装屋は今ではありません(探せばあるかも)。確かに20年以上前はそういったところもありましたが、現在ではサラリーマン社会と同じく、そこで一生というよりも人も大きく移動していく時代となりましたので、数年働くと条件や会社の規模などで他の塗装屋に移るという事も珍しくなりましたので、数か月でしっかり覚えれば施工も行って行きます。
勿論、仕上の部分や吹き付けの塗装においてはある程度熟練の者がやらなければ仕上がりに差がでますので、下塗りなど比較的簡単な施工からとなります。また、塗料自体も昔と比べると塗り易さは大分改善されており且つ以前は多かった2液性の溶剤塗料よりも1液性の水性塗料が使用されるようになり施工性も格段に上がっている事にも起因しています。
ただ、本当の職人の腕については個人的な見解としては昔と比べると落ちていると言わざるを得ません。20年以上前の私が下っ端の頃はやはり親方につきっきりでよく怒られならが同じ作業をそれころ毎日行っていまし、やはり厳しい世界でしたのである程度そこでふるいにかけられていた部分もありました。現在ではどうしても『ちょっとやってみて無理ならやめる』という人も少なからずいるというものありますので全体的に見れば下がってしまいました。
3. 経営状態
最近では大阪よりも地方で女性の塗装職人も出てきており昔と比べるとかなり穏やかになりました。塗装屋が他とおそらく最も違うのは人当りが苦手という事です。塗装屋になる人間というのはやはり営業などが向いていない、コツコツと自分の事をやるタイプが集まり易いというはあります。ですので、塗装屋でドンドン営業をやっている(自社で住宅向けに営業をしている)所は少なく、多くが下請けとして工務店やリフォーム店から仕事をもらっているという形態が殆どなのが実状です。
現在は大分変ってはきましたが、以前は何百人という塗装の営業マンがいる訪問販売会社が何社もあってそこから数十社の下請け塗装店が居て仕事を行うというのが普通の光景でした。ただ、ボッタクリという事も横行して非難を受けたことからその数も徐々に減少し、リフォームや工務店が外壁塗装を行うようになりました。塗装屋についてはやはり中々営業という部分がネックで元請が訪販会社からリフォーム店に変わっただけで依然下請けのままという現状でした。
ただ、ここ10年位で塗装屋が直接営業を行う所も少しずつ増えていき、例えば『外壁塗装・大阪』で検索をすると1ページ目に出てくるのはリフォーム店と塗装屋が半々くらいになってきましたのでやっと塗装=塗装屋という環境になりつつあると思います。また、塗装の絶対数というのは人口の減少とともに減りつつあり業界全体としてはパイの奪い合いとなっています。業界としては困難な状況になりつつありますが(どこの業界も同じだと思いますが)、選ぶ側(施主側)としてはゆっくりと色んな所を比較して検討できるので、良い所だけが残っていきクレームの多い所は淘汰されつつあるので環境としてはより良くなっているのを実感します。この他にも、外壁塗装をする前の知っておくべき塗料や塗装についてを色々まとめていますのでご参照ください。キットお役に立てる・・・はず。
HPをお気に入りに追加